大西成明
ONISHI NARUAKI
1952年奈良県に生まれる。
早稲田大学第一文学部社会学科卒業。
学生時代より実験映画・ドキュメンタリー映画を作り始める。
1978年より、工作舍でオブジェマガジン『遊』の編集スタッフとなり、同時に写真を始める。
この間エディトリアルフォトを学び、1983年より、フリー。
1992年、動物の細部を独特の視点でとらえた写真集『象の耳』 (ニッコールクラブ)により、日本写真協会新人賞を受賞。この作品は海外にも紹介され、サムアンテレス誌(フランス)、フランクフルトアルゲマインマガジン(ドイツ)、スミソニアン誌(アメリカ)などに掲載された。
また、カール・セーガンの著書『はるかな記憶』(94年・朝日新聞社)の中で、生命の起源を巡るイメージ写真を21点提供、各章の扉を飾った。
97年には『地球生物会議』のポスターで、ニューヨークADC賞ゴールドメダルを受賞。一方、1994年より、週刊誌のグラビアなどで医療関係ドキュメントを撮り始める。
1999年8月より、2000年5月まで、写真週刊誌FRIDAYで、『病院の時代-バラッド・オブ・ホスピタル』を連載。「人」と「病」と「医療空間」が織りなす“生命の物語”を、日本全国の病院を訪ねドキュメントした。
それにより、99年週刊現代ドキュメント写真大賞、2000年講談社出版文化賞を受賞した。
また、2000年には、TBS主催の「鑑真和上と唐招提寺国宝展」の特別企画、『鑑真和上と世界の写真家10人』に選ばれ、2001年1月には銀座松坂屋で、9月には東京都写真美術館で写真展が開催された。
美術歴史関係の写真著作は他に、『利休・破調の悲劇』(1990年講談社)、『美神の邂逅』(2002年・里文出版)などがある。
2004年7月には、19年にわたり撮り続けてきた『日本の川100』(ピエ・ブックス)が、12月には、
“世界でもっとも美しい脳の写真集”『ひよめき』(ピエ・ブックス)が出版された。
また、2008年に刊行された写真集『ロマンティック・リハビリテーション』(ランダムハウス講談社)で
第18回林忠彦賞、第9回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。
また、『ホネホネたんけんたい』(2008年)、『ホネホネどうぶつえん』(2009年)、
『ホネホネすいぞくかん』(2010年、いずれもアリス館・共著)の、ホネホネ三部作が毎年刊行され、
2009年には詩人の佐々木幹郎さんとの共著『人形記』(淡交社)も出版されている。
最新作には、皮膚病蝋製模型標本をテーマとした『日本のムラージュ』(石原あえか著・大西成明写真 / 青弓社 2018年)、骨と肉の細部に分け入り生命記憶の痕跡を探った写真集『骨肉』(赤々舎 2019年)がある。
東京造形大学デザイン学科教授(2010年〜2017年)、日本写真家協会会員。